厚生労働省は12日、公的年金(基礎年金・厚生年金)に上乗せする企業年金(3階部分)の一種で、現在は企業しか掛け金を拠出できない「確定拠出年金(企業型)」について、会社員本人の拠出も認める方針を固めた。
本人拠出は原則、月2万3000円(総額上限の半額)が上限で、税制優遇が適用される見通しだ。少子高齢化で公的年金の先細りが見込まれることから、企業年金の役割を高めることが狙いだ。
同省は今年中の関連法案取りまとめを目指している。
本人拠出は、将来に備えてお金を積み立てる点では銀行預金などと似ている。しかし、拠出時には所得控除が認められる見通しで、老後に年金を受け取る際も公的年金等控除が適用されるなど、税制上、大幅に優遇されている点が最大の違いだ。企業にとっても、拠出金は非課税となる利点がある。
現行制度の企業拠出の上限は、原則月4万6000円。新制度は本人の拠出を加えても総額上限は月4万6000円のままとし、その範囲内で企業拠出と同額までの本人拠出を認める。
具体的には、月給40万円の会社員の場合、企業拠出が仮に給料の3%(1万2000円)とすれば、本人拠出は給料から0〜3%(0円〜1万2000円)の範囲で自由に拠出できるようになる。
本人拠出は「収入に余裕のある会社員だけが有利な制度を利用できる『金持ちサラリーマン優遇』になる」として、確定拠出年金創設時には採用されなかった経緯がある。
しかし、厚労省の実態調査では、確定拠出年金の企業拠出は平均月1万1000円程度で、「老後の保障には不十分」との指摘がある。同年金の導入企業約7300社のうち6割近くが従業員100人未満の比較的小規模な企業のこともあり、金持ち優遇にはならないと判断した。
厚労省は、本人拠出の解禁に加え、確定拠出年金以外の企業年金に加入する会社員に、自営業者向けの確定拠出年金(個人型)への拠出を認めるなど、企業年金全般で本人拠出の範囲を大幅に拡充する方針だ。政府は、拡充によって会社員らが恩恵を受ける減税規模は、1000億円前後になると試算している。
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